パレストリーナのポリフォニーはヴィクトリアの激しさに較べて透明感と浮揚する様な神秘感に満ちている。

対位法の曲は基本的にコードに直せないのだが、この曲の場合は対位法というより和声的な作りになっているのでコードにする事ができる。


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出だしの部分のコードを赤ペンで書いてみた。
1段目と2段目の初めにA ➡ G ➡ Fとクロマティックなコード進行をする事、その後G ➡F ➡ Cとアーメン進行が続く事、最後にシが♭になる事でキーがCからFに転調した印象を受ける事が分かる。

パレストリーナの曲をコードに直してみる事は古典派以後の音楽を聴き慣れた者にとっては全く未知の世界を探検する様なワクワクする作業ではないだろうか?