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パッヘルベル(上図)は南ドイツ・オルガン楽派を代表するオルガニスト、作曲家である。

南ドイツ楽派は北部のルター派に対してイタリアのカトリックの影響が強く、それが音楽にも表れて柔らかく叙情的な作品が多い。

しかしパッヘルベルが晩年に作曲したマニフィカート・フーガを聴くとバッハの作風に似ているのに驚かされる。

上向するメロディーの途中から1オクターヴ下げて鋭角的な線を出す手法、4度上や4度下のキーを重ねる事による対位法、ドミナント・モーションの連続するコード進行。

バッハほどの複雑で緻密な構成こそ無いが、バッハの基本的な手法がほぼ完璧な形で既に表れている。

バッハがブクステフーデと共にパッヘルベルからも大きな影響を受けているのは知っていたが、まさかここまでとは思わなかった。




この第1旋法(ドリアン)によるフーガはバッハの「フーガの技法」との類似が指摘されている。 http://www.lcv.ne.jp/~nakgie/Individual/page069.html