ヤフーブログの「科学ファンタジー」の書庫から神秘主義と関係ある記事だけこちらへ移そうと思う。




下の写真はハッブル望遠鏡で撮った「カニ星雲」の写真である。

ただ、色はコンピューター・グラフィックである。
実際にこういう色に見える訳ではない。
青の部分は酸素が多く、赤い部分は水素が多いそうだ。

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かに星雲は1054年に起こった超新星爆発の残骸である。
地球から6500光年の距離にあり6光年の範囲に広がっている。

太陽から地球までの距離を仮に1mとすると(この時太陽の直径は約5mmとなる)カニ星雲の直径は東京~名古屋間の距離くらいになる。

残骸を構成する糸の様な構造をフィラメントと呼んでいるが、その一本一本の太さが(長さではない)太陽系をスッポリ覆ってしまうくらいの規模だ。
カニ星雲の大きさはオリオン星雲の四分の一ほどである。オリオン星雲の中でこの規模の超新星爆発が起きたらオリオン星雲全体が吹っ飛ばされる事になる。太陽系の近くで起きたら太陽も地球も一瞬で吹っ飛んでしまう。

ガスは今でも秒速1100kmの速さで広がっている。
これはマッハ3000!弾丸の400倍という想像を絶する速さだ。

ところが、このカニ星雲もオリオン星雲も、太陽系と共に我が天の川銀河の中にあるのだ。
銀河系はこんな想像を絶するドラマを無数に抱えて悠然と回転している。





超新星爆発は外に爆発するだけでなく、内側にも想像を絶する圧力をかける。それによって一気に核融合反応が進み、金属などの重い原子が生まれる。

恒星自体も核融合反応を行うが、それで生まれるのはせいぜい珪素、鉄くらいまで。鉄より重い元素は超新星爆発で生まれるのだ。

恒星は元素を作るが、余りに温度が高いため、原子が集まって分子を作る事ができない。一方惑星は温度が低いから元素は作れない代わりに分子を進化させる。
恒星と惑星の間でこのような役割分担があるのだ。

これを「何だ、当たり前の事じゃないか」と考えるか「何と不思議な事だ!」と考えるかは、センスの問題である。