活動銀河のジェットの原因はブラックホールに流れ込む重力エネルギーの解放によるものだと言われている。
http://wwwj.vsop.isas.jaxa.jp/yougo/k01_agn.html
しかし本当にそうなのだろうか?


一般にはあまり大きなニュースにはなっていないが、銀河ではなく一つの原始星から噴き出す高速ジェットが最近複数発見されている。


へび座南星団の中にあるCARMA-7と呼ばれる星は2015年にジェットを噴き出しているのを米カリフォルニアのCARMA宇宙望遠鏡で発見された。
https://alma-telescope.jp/news/mt-post_620

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ジェットは約100年の周期で噴出と休止を間欠泉の様に繰り返していると言う。

噴き出すジェットの長さたるや、2兆4600億km! 太陽から地球までの距離の1万6千倍である。もちろん光速に匹敵するスピードで噴き出さなければここまでは届かない。



オリオン星雲の中の原始星で回転しながら噴き出すガスを発見したのは日本の研究グループである。
https://www.natureasia.com/ja-jp/natastron/interview/contents/3

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これは磁気遠心力によるアウトフローと言ってジェットよりはるかに遅いそうだが、それでも毎秒10km(約マッハ30)という速さで回転しながら傘状に噴き出している。



さらにこのアウトフローと高速ジェットは多くの(もしかすると全ての)原始星でひと組の現象として起こる可能性が理論的に示され、その原理はやはりガスの重力エネルギーが転じたものだと言う。
その理論はここに書かれているが、さっぱり分からない。(苦笑)
http://www.asj.or.jp/geppou/archive_open/2012_105_04/105_262.pdf



そして実際にジェットとアウトフローが両方観察される例も九州大学の研究チームによって発見された。

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赤い部分が磁気遠心力によるアウトフロー、青い部分が高速のジェットである。



ブラックホールが無くても高速ジェットの噴出は起こるのだという事がはっきりした。



銀河だけでなく、個々の恒星からも光速に近いジェットが噴き出す例が次々と発見されている事。これは大変な事ではなかろうか?
これが銀河や宇宙の誕生理論を根本から変える可能性があると僕は考えている。



そもそも星間ガスが重力で集まって銀河が生まれるという説に僕は大きな疑問を持っているのだ。

より遠くにある(という事はより太古の姿である)銀河を観察すると、活動銀河、クェーサーと時間を遡るほど銀河は激しい活動を示している。
これだけでも静かに星間ガスが集まりだんだん高温になってついに核融合が始まるという定説に疑問を持たないだろうか?