そろそろ通常モードに復帰したいところだ。霊的幾何学ではヌーソロジーから少し離れてプラトン立体の考察からインスピレーションを得ようとしているのだが、ヌーソロジーで新たに分かった事があるので追加する。これは「ヌーソロジーの発想 先回り」の記事の追加分である。 
http://bashar8698.livedoor.blog/archives/15733795.html


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①から④までヌーソロジーのアイデアを書いてきたが復習すると、

① 「観察」という要素を虚軸として数学に取り込む事
② 意識の方向性の反転を考える事
③ 量子力学を無意識の構造と捉える事
④ 2つの主体の視線の交差を光子のスピン1と-1と関係付ける事

ここで③について半田氏の奥方である春井星乃氏が分かりやすい説明をしている。
http://hoshinokatachimi.blog.jp/archives/2624758.html
素粒子は複素空間における回転として存在し、その様にしか表現できないのだ。そして視野空間もまた複素空間である事が両者の同型性の根拠となる。

次は⑤からである。

 

⑤ 外面と内面を別々に束ねる事

ヌース理論が日常感覚の「内と外」という概念をひっくり返すのは以前見てきた。

外面とは見えている物の表面の部分である。自分の身体も物の外面と同じである。(ψ1)
物の背後に存在している「地」となる視野面(星空など)も見えている世界だから人間の外面である。(ψ3)

一方、物の背後側はヌース理論では人間の内面と考える。物体を回転させても見えるのは常に正面であって背面側は見えない。自分の背後の風景(知覚背面)も「見えない」という点で物体の背後と同じであり人間の内面と考える。

この様に内と外を定義すると、自分と他者の視野空間は互いに内と外が反転している。自分から見えない側が相手からは見えている。そして通常の「客観世界」と言われているものは、自分と他者が見えない内面側を情報交換によって共有する事で成立する。逆に見える側、外面=視野空間を束ねたものがヌーソロジーで言う精神である。

客体=内面 対象から広がり、世界として想像されている空間、言語
主体=外面 身体から広がり、知覚されている視野空間、見えるもの

学生時代に廣松渉の「世界の共同主観的存在構造」という本を読んだ事がある。資本論に通底する物象化論の認識論的基礎を追求する野心的な作だが、フッサールの現象学的所与が情報交換によって弁証法的に共同主観へとアウフヘーベンされるという論理だったと記憶している。しかしヌーソロジーは廣松氏よりもっと捻ってあるのだ。



⑥ 外面を視野空間から身体感覚全体へ拡張する事

視覚から身体感覚全般へと拡大するとどうなるだろうか? 
半田氏は身体と肉体は違うと言う。肉体は虚構された客観世界から見た身体である。真の身体とは視覚、嗅覚、味覚、触覚など身体感覚の総合であり、それは普段「世界」と呼んでいる物に等しい。「歩く」「手で持つ」などの行動によってさらに身体意識は多重化する。この多重化された身体意識は上の青字で書いた主体=外面の延長だ。全ての人においてこの多重化された身体意識があり、それを束ねたものがヌーソロジーで言う精神である。

外面−視野空間−身体意識(=精神)
内面−客観世界−肉体
 


⑦ 群論による束ね

ではどうやって束ねるのか? ここで回転群、ユニタリ群が登場するわけである。

人間のいる位置は記憶を含んでいるため4次元空間上に組み込まれている。世界を見る視点を変える事は4次元空間上の回転と見なせば回転群で表せる。半田氏曰く、

「回転するボールと主体を結ぶ虚軸上には三次元の回転群が全て畳み込まれている。」

「畳み込まれる」というイメージは超ヒモ理論の11次元空間論で既に馴染みやすいものになっているが、今後この資料の「次元の折り畳み」の部分を参考にしてもう少し深めたいと考えている。
 
https://r5.quicca.com/~steiner/novalisnova/sinpigaku/katachi1.html




⑧ 同相の概念が素粒子と人間の魂と恒星系を一致させる数学的基礎となる

球は3次元だがその表面は曲面、2次元である。同様に4次元空間で回転する4次元球体の表面は3次元球面(S^3)となる。
 
3次元球面は2行2列の特殊ユニタリ群SU(2)と同相である。


同相とはイメージとしてはトポロジー的に同形という意味である。例えばマグカップとドーナツは同相である。
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この「同相」という概念がヌーソロジー的には素粒子と精神と宇宙を同一視する数学的前提となっているらしい。




さて今後はプラトン立体に話が飛ぶ。