ここはホテル・アンドロメダ・・・・

私達二人はバルコニーから天の川を眺めていた。ここでは天の川が下に見えるのだ。点滅する光の流れは眺めるうちに少しずつ私達に近づき、そして次の瞬間、洪水となって溢れ出た。


「危ない!」私は彼女の手を取った。いつのまにか私達は360度全方向を色とりどりの波に囲まれ上下に浮き沈みしながら泳いでいた。光の洪水は押したと思えば引き、彼方へ此方へと流れの方向を変え、二人はどちらが上でどちらが下かさえ分からなくなったが、不思議に恐怖も息苦しさも無い。この三半規管を狂わせる流れは最後には方向が統一され、蕩々と流れる大河となって恍惚の海へと向かう。