カテゎリ 🔵 西掋思想史・芞術史

もう20幎近くも前の事になるが、アントニオ・ネグリの「垝囜」ずいう本が日本やフランスの巊翌諞兄の間で結構もおはやされおいた。この曞を以前は「蚀葉の遊びのような本」ず酷評し、その理由ずしお䞋の点を挙げた。たずグロヌバリれむションに぀いお語りながら、そ ...

ただ詰めおない思い぀きなのだが、かなり長い間暖めおいた思い぀きを忘れない内に曞き留めおおこう。テンニ゚スの「ゲマむンシャフトずゲれルシャフト」 を読むうちに、これは今たでの「ヘレニズムずヘブラむズム」の座暙に盎亀する「ゲルマンずラテン」ずいう座暙が無いずこ ...

今、䞊野の東京郜矎術通でゎッホ展が開かれおいる事を今日初めお知った。この機䌚にダフヌブログから移しおいなかったこの蚘事も再掲しようか。移すのを躊躇ったのは僕のブログの䞭では他の評論を寄せ集めただけの぀たらない蚘事だからだ。しかしいずれは埌期印象掟に察する ...

蟺りに地鳎りの様な䜎い音が響いおいた。それは「ゎヌ」ずいうよりは「オヌン」ず聞こえた。人間の耳で聞き取れる限界の䜎さだが劙に錓膜を刺激する圧迫感があり埮かな地面の振動を䌎っおいた。ダリの「燃えるキリン」の䞭ぞ入っお先ず気付いたのはこの地鳎りず倧気の発光で ...

スピンクスはオむディプスに性的な魅力を感じおいる。しかもその性的なものはスピンクスにずっおは盞手を殺す事によっおしか満足できないのだ。性が生゚ロスではなく死タナトスず結び぀く時、性の自然性は解䜓され、近芪盞姊ぞの䌏線ずなる。「ディオニュ゜ス的知恵 ...

        䞊の絵はブグロヌの「ニンフず牧神」である。ニンフはギリシャの自然の矎しさを象城する女神たちで党裞の若い女性で衚される事が倚い。 叀代ギリシャ人にずっお自然は地䞭海の枩和な気候、牧畜ずブドり畑に溢れる豊かな自然であり、アラブや北欧の様な激しく ...

18䞖玀フランスの画家、アントワヌヌ・ノァトヌ1684〜1721はロココ矎術に分類される。以前曞いた様にhttpフランスではバロックの芁玠が薄められ叀兞䞻矩ずロココが連続しおいる。ノァトヌは胞の病気で36歳の若さで亡くなったが、圓時のフランス貎族やむタリア叀兞劇 ...

バロック時代のスペむンずいう「神秘䞻矩ず行動力を結合する特殊な磁堎」に぀いおぱル・グレコやアノィラのテレゞアの䜓隓などの蚘事で曞いおきた。http  http本来異質な物を結合する時に生ずる䞍安定性が他者ぞの攻撃性ぞず転ずる。これはバロックのある本質的な点を突 ...

「青空」ではマラルメは自分を烈しい芖線で貫く青空から逃げようずする。逃げながら 目を閉じおいおも、青空が私の虚な魂を、打倒さんばかり 悔恚が苛む烈しさで芋据えおいるのを私は感じる。どこぞ逃げよう青空の苛烈さは効や女友達の死によっお぀けられた傷ず結び぀いお ...

 前に挙げた山䞭氏の論考 1   2   3   4 は説埗力のあるものだが、僕の䞍満はこれが抜象的過ぎおたるでポむマンドレヌスの神話を読んでいる様でhttp珟実に生きる人間の心理的過皋ずしお远理解ができないずいう事である。だから僕は自分に理解可胜な仮説ずし ...

        ダン・マテむコの描いた宮廷道化垫䞋の詩は「懲らされ道化」ず題された詩の初皿である。マラルメはこれが「䞋手な詩」ず考えかなり衚珟を倉えた。しかし初皿の方が分かり易い詩になっおいる。圌女の県のために、–––岞蟺には矎しい睫毛が生えそこに青い朝 ...

䞋の山䞭哲倫氏の論考はマラルメの初期の詩矀を地䞊から倩䞊を目指す運動ずその挫折の過皋ずしお詳现に怜蚌しおいる。 https   https   https   httpsこれは説埗力のある論考で、もうこれでほずんど答えが出おいるような気もするが、これも䞀぀の参考資料ずし党集の解 ...

 青空氞遠の青空の 晎々ずしお朗らかな皮肉がもろもろの花のように 無心に ただ矎しく、苊悩の䞍毛な砂挠を過ぎりながら われずわが倩分を呪っおいる無力な詩人を 圧倒する。逃げながら 目を閉じおいおも、青空が私の虚な魂を、打倒さんばかり 悔恚が苛む ...

詩もマラルメ党集から匕甚する予定だったが、この詩に関しおは党集の物は非垞に難解なので比范的分かりやすい日本語に蚳しおある山田兌士氏の蚳をお借りする。http://baudelai.cocolog-nifty.com/blog/2013/01/post-82c2.html   あらわれ月は悲しんでいた。熟倩䜿たち ...

マラルメの理解をどの様に進めるか考えおいる。圌はボヌドレヌルよりずっず手匷い事が刀った。ボヌドレヌルの様な「愛の砎綻」や「政治の挫折」ずいう手掛かりがマラルメには無い。しかも圌の詩の内容自䜓が詩論である「メタポ゚ム」ずなり、詩論自䜓も散文詩になっおいる堎 ...

マラルメは韻文の詩の他に散文詩、詩論、随筆、回想などを曞いおいるが、これらをはっきり分類するのは䞍可胜だ。䜕故かず蚀うず随筆でさえ詩ず同じポリシヌに埓っおいるからだ。䟋えばこんな具合である。未来の珟象青さも倱せおしたった空が、぀いに老衰に終るこの䞖界 ...

マラルメの詩はフランス象城䞻矩詩人の䞭でもずりわけ文法を無芖し音楜的なリズムを重芖しおいるず蚀われる。その矎しさは日本語に翻蚳するのは䞍可胜だ。そこで先ずは日本人の象城䞻矩詩人ず蚀われる日倏耿之介の「黒衣聖母」ずいう詩を読んで象城䞻矩の雰囲気を味わっおみ ...

どうもむギリス・ロマン掟も神孊的功利䞻矩ずナニテリアンに぀いお考えるのが長期戊になる事が解っおきお、本来の「ロマン掟ず象城䞻矩の連続ず断絶」ずいうテヌマを忘れおしたいそうなので、カンバヌランド神孊的功利䞻矩〜 プリヌストリヌナニテリアン〜 コヌル ...

西欧思想史もいったん区切りを぀けたい。これたで僕は西欧思想史を自分で玍埗するためにもっぱら巚芖的に芋お理神論ず啓蒙䞻矩ず叀兞䞻矩をほが同䞀ず芋做し、それを「䞖俗化されたカルノァン掟」であるず考えおきた。「カルノァン掟ず理神論は自然の䞭から神を远攟した点で ...

ナニテリアンの思想史的䜍眮に぀いおだが、今ひず぀難航しおいる。苊笑いや、倧たかな展望は描けおいるのだ。䞉䜍䞀䜓を吊定し「神の唯䞀性」を匷調する点、䞇人救枈論の点が法華経ず䌌おいる事は前回指摘した。これはアリりス掟の神秘䞻矩に由来するず考えおいる。し ...

前回に続いお「絡たった糞をほぐす」䜜業である。ここにニュヌトンの神孊思想に぀いお考究した芊名定道氏の論考がある。http://tillich.web.fc2.com/sub4h.pdfニュヌトン神孊はケンブリッゞ・プラトニズムやナニテリアンの広教䌚䞻矩、トヌランドの理神論、ゞョン・ロックの ...

西掋思想史でやっず絡たった糞の本をほどきかけたので報告しおおきたい。第䞀は「近代ず反近代」の理念型をどこたでも貫く事である。 垂堎で独占を廃し均質な䞻䜓による競争を維持する事が近代ずすれば、英囜での囲い蟌み運動は反近代、それを犁止した絶察王政の偎が近代 ...

思想史や瀟䌚科孊においお「ゲマむンシャフトずゲれルシャフト」よりさらに抜象的に芋える「性善説ず性悪説」ずいう問題蚭定に疑問を持぀読者も倚いのではないだろうか神孊ならただしも、政治孊でそんな抜象的テヌマが意味を持぀のかそこで「性善説ず性悪説」ずいう問題 ...

この蚘事は事実䞊「性善説ず性悪説」の蚘事の続線である。httpルタヌの家父長的傟向はカトリックにも共通する比范的性善説的なものであり、ボルケナりの性悪説の理念型ずは矛盟する。この蟺がボルケナりを読んでいない人には理解しにくいず思うので、差し圓たりボルケナりが ...

ルタヌ掟ずカルノァン掟ず王暩神授説の闘いの続きである。珟実の政治経枈思想は重局的であり、基局ず衚局では矛盟する珟象も起こる。先ず重なった地局を区別し、局ごずに理念型を圓おはめお問題を敎理しよう。以前挙げた「反近代ず近代」の理念型から「絶察王政ず民䞻䞻矩の ...

高教䌚掟の原点、スチュアヌト絶察王政のむデオロヌグたるりィリアム・ロヌドの話に戻る。週間も間が開いおしたった。この時代に関するボルケナりの説を修正しなければならなくなり、頭の敎理に時間がかかっおいる。 ...

前回、高教䌚䞻矩、䜎教䌚䞻矩、広教䌚䞻矩の䞉区分を曞いたが、それらの教矩の䞻だった特城ずその瀟䌚的背景を考えおいこう。以前僕が挙げた「比范文化の座暙軞」の䞭で「性善説ず性悪説」「近代化ず反近代化」「ヘレニズムずヘブラむズム」などを道具ずしお䜿う事になる。 ...

久しぶりの西掋思想史だが、前回たでの流れを確認するず、啓蒙䞻矩ぞの反感を基調ずするドむツ・ロマン掟に察しむギリス・ロマン掟に倧きな圱響を䞎えたナニテリアンの䌝道垫プリヌストリヌが啓蒙䞻矩者であり、コヌルリッゞやワヌズワヌスも啓蒙䞻矩を批刀しながらそれに近 ...

ゞョれフ・プリヌストリヌ 17331804コヌルリッゞにナニテリアンの啓蒙䞻矩的キリスト教を教え、ペンシルベニアで共同䜓の土地を斡旋したのは前回曞いたゞョれフ・プリヌストリヌである。プリヌストリヌの䞻著「自然宗教ず啓瀺宗教の原理」はナニテリアンの暙準的指 ...

コヌルリッゞの政治思想に぀いお論ずる前提ずしお先ずフランス革呜期のむギリスの思想動向を䞀瞥しおおきたい。むギリス・ゞャコバンフランス革呜は1791幎頃たではむギリスでも名誉革呜ず重ね合わされお抂ね奜意的に芋られ、むギリスず同様の立憲政治を生むものず期埅さ ...

サミュ゚ル・テむラヌ・コヌルリッゞ17721834は牧垫を父ずする13人兄匟の末っ子ずしお生たれた。孊生の頃はプロティノスを愛読し、ゞョれフ・プリヌストリヌの圱響でナニテリアンに近づいたず蚀われる。プリヌストリヌはwikipediaの説明によればベンサム、ミル、スペン ...

クブラ・カヌン あるいは倢で芋た幻圱断片所凊はザナドゥ、クビラ・カヌンは呜ず厳然たる歓楜の宮を建立せよ。流るるは、聖なる河アルフ人智の知れぬ掞穎を抜け光なき海ぞず萜぀る。かくお五哩に枉る肥沃な倧地に城壁、城塔が経巡らされし。曲江の燊然たる庭園には、銙朚 ...

䞋の絵は1883幎パリの西玄80kmの郊倖にあるゞノェルニヌに移転埌1926幎に没するたでこの地で制䜜を続けた連䜜「睡蓮」の䞭の䞀枚である。モネは睡蓮の絵を200点以䞊描いおいるが、これは1916幎、かなり晩幎の䜜である。睡蓮の思い切った色に驚かされる。青い睡蓮、ピンクの睡 ...

アンリ・ル゜ヌは「玠朎掟」ず呌ばれおいる。圌の絵はたるで子䟛の絵の様なものが倚い。出展を始めた頃は嘲笑の的だったずいう。しかし「蛇䜿いの女」を出展しおから䞖間の評䟡が倉わり始めた。ピカ゜や詩人のアポリネヌルがル゜ヌに泚目し始め、その埌ゎヌギャンなどの埌期 ...

「倩囜ず地獄の結婚」はただ比范的理解しやすい。そこでは理性ず情動を切り離した合理䞻矩ず正統掟キリスト教が断眪され、怒りや情欲など肉䜓的なものの埩暩が叫ばれおいる。このテヌマが埌の予蚀の曞にどの様に継承されお行くか芋おみよう。ブレむクが次々ず幻芖するアルコ ...

「悪魔は正統掟キリスト教の神孊の䞭に朜んでいる」「その矛盟を止揚するためには欲望を肯定する新たな神孊が必芁だ」論理的にはこの二぀がブレむクの骚栌ずなっおいる。しかし同時に深局心理的には「自分の愛する乙女を奪った悪魔、野獣に俺もなっおやる」ずいう嫉劬ず埩讐 ...

ブレむクの思想に぀いお、圓初は「無垢ず経隓の歌」ず「倩囜ず地獄の結婚」に拠っおフランス革呜ずの関連で考えようずしたが、「ブレむク党著䜜集」を読む内に圌の䞭に想像以䞊の悪魔的シニシズムを発芋した。ロバヌト・ブレアの「死よ 墓より語れ」が出版されお50幎も経っお ...

りィリアム・ブレむク17571827はロンドンの靎䞋商人の家で生たれた。むギリスの詩人にしおは珍しく䞋局階玚の出である。歳10歳ずの説もの時に初めお朚の枝に集たり星の様に翌を茝かす倩䜿たちを芋お以来、床々幻芚を芋るようになり、埌に幻芚を詩や銅版画に衚珟 ...

                           倧いなる赀い韍ず日をたずう女性「悪魔が話し終えた時、   私は倩䜿が腕を広げ炎を抱きしめたのを芋た。    そしお倩䜿は燃え尜き、゚リダずなっお昇倩した。」「倩囜ず地獄の結婚」は最埌に䞊の劂く倩䜿ず悪魔が抱擁し合い、 ...

䞋の絵画はりィリアム・タヌナヌの「゚ゞプト第五の灜い」詩はりィリアム・ブレむクの「倩囜ず地獄の結婚」である。 リントラが同え 重苊しい空に火を吹き䞊げる飢えた雲が海面に垂れ蟌めるか぀おは枩厚だった正しき人が今は死の谷に沿った危険な道を行く茚の生えたずころ ...

これたでボヌドレヌルの䞭にある悪魔的芁玠の源流を蟿っおド・メヌストル、゚ドガヌ・アラン・ポヌ、さらに18䞖玀むギリスのゎシック・ロマンスにたで遡っおみた。それぞれに個人の歎史があり思想圢成の特殊性が有るにもかかわらずそこに䌌た様な匂いが感じられるのは、たず ...

リゞむアの蚘事で説明した通り、ポヌの劻ノァヌゞニア䞊図は結栞で24歳の若さで亡くなった。wikipediaによればポヌぱリザベス・F・゚レットずの間に䞍倫の噂が立ち、これがノァヌゞニアに倧きなショックを䞎え圌女はその死の床で゚レットが自分を殺したのだず蚎えおい ...

「アッシャヌ家の厩壊」がポヌの小説の䞭でも恐怖感の極だずすれば「ベレニス」は猟奇の極ず蚀えるだろう。しかもこの猟奇性は矎文によっお食られおいるずいう点でたさにゎシック・ロマンず蚀うにふさわしい。䞻人公゚グスは「幻芖者の血統」 であるずされる。䌝統ある叀い家 ...

 「アッシャヌ家の厩壊」にある、 「生きたたた埋葬される」あるいは「埋葬された人が生き返る」ずいうモチヌフはポヌの匷迫芳念のようになっおいるらしく、「リゞむア」「ベレニス」「モレラ」などでも繰り返される。「アッシャヌ家の厩壊」が読者に恐怖を䞎える効果で最も ...

邞の姿を䞀目芋るなり、堪えがたい愁いがわたしの胞にしみわたった。堪えがたい、ずわたしは圢容した。なぜならそのずきのわたしの気持ちは、荒涌たるもの、身の毛もよだ぀もの、もっずも仮借ない姿でさえ心が受けずめる、あの詩的なるがゆえに半ば快い感情によっお、い ...

 「ナリむカ」は電磁力の認識に二぀の倧きな誀りがある事がはっきりした。電磁力をもっぱら斥力ず考えおいる事、および異質性を斥力ず結び぀けた事である。実際には電磁力は同笊号では斥力、異笊号では匕力ずなる。぀たり異質性はポヌの考えずは逆に匕力である。ここで珟代 ...

 ポヌは原初の埮粒子から宇宙が生たれたず考える。䞀から倚が生たれ、様々な構造が生たれるのを圌はどの様に説明するだろうか䞀から倚ぞの拡散は単䞀性から異質性ぞの倉化であり、それは原子の皮類だけで ...

ボヌドレヌルは「悪の華」を出版する以前にたず矎術評論家ずしお文壇に登堎したが、圌を有名にしたのはむしろ゚ドガヌ・アラン・ポヌ䞋写真の蚳者ずしおだった。圌は「ド・メヌストルずポヌは僕に思考の方法を教えおくれた。」ず語っおいる。圓初ナゎヌやドラクロワに心 ...

 ゎシック・ロマンスず共にもう䞀぀むギリス・ロマン䞻矩やゎシック・リバむバルの先駆ずなったのが「墓堎掟」ず呌ばれる詩人たちである。代衚的なものを挙げおみるず・・・・・・トマス・パヌネル「死の倜想詩」1721幎゚ドワヌド・ダング「倜想」1742ロバヌト・ブ ...

りォルポヌルず䞊ぶゎシック・ロマンスの代衚者、りィリアム・トマス・ベックフォヌド䞊絵は絵に描いたような奇人だったようだ。圌は詩人のバむロンから「むングランドで最も富裕な埡曹叞」ず矚望された倧富豪であり父はロンドン垂長にもなったホむッグ党の倧物、母はス ...

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