カテゴリ: 哲学・宗教 各論

もう7年も前の事になるが、アントニオ・ネグリの「帝国」という本が日本やフランスの左翼諸君の間で結構もてはやされているようなので読んでみたが、正直言ってガッカリした。はっきり言って言葉の遊びのような本である。この本に何が欠けているか、具体的に挙げてみよう。 ...

現代経済学を学ぶ者は「パレート最適」という言葉を必ず教わる。 これはベンサムの「最大多数の最大幸福」という原理に代わる物と考えられている。社会科学の最終目標を示す1つの原理だ。 「最大多数の最大幸福」が「パレート最適」に取って代わられたのは、それが「多重 ...

大学の経済学では古典派経済学とマルクス経済学は「労働価値説」、限界革命以降の近代経済学は「効用価値説」であると教える。これは経済学の表面だけを見ている誤解である。 アダム・スミス、リカード、マルクス、ワルラス、マーシャル、ケインズ等、経済を社会学的 ...

僕が法華経を何度も読み返し、他の神秘主義の知識と照らし合わせてみた結果、法華経の核心は次の2項に還元されると確信した。(1)あらゆる活動が(営利活動でさえも)それをとことん突き詰める事で仏道の修行になる。何故ならあらゆる諸法は一つに帰一するからである。  ...

ノヴァーリスが1799年に発表した「キリスト教世界またはヨーロッパ」はローマ・カトリックの普遍的支配を理念化し、讃美した評論である。 「ヨーロッパが一個のキリスト教国であり、この人間的に形作られた大陸に単一のキリスト教徒が住んでいた時代は、美し ...

ノヴァーリスは23歳の時、10歳年下のゾフィーと恋に落ち婚約するが2年後に彼女は病気で亡くなった。  彼は彼女の死に大きな衝撃を受け一時は自殺を考えたという。    世界は遠く隔たり ――深い墓穴のうちに沈んで――  その場所は荒涼と弧絶している。 ...

「鳥の翼や卵の殻に、雲や雪や結晶、岩の紋様、凍った水面、山や草木や禽獣や人間の内面と外面に 、天空の日月星辰に、あるいは瀝青板と玻璃板を擦り合わせたときや、磁石のまわりに蝟集する鉄粉や、偶然がもたらす数奇な廻り合わせの中などの至るところに見出せる ...

前に書いた様に、神秘主義の多くは世界の成り行きと霊性進化は逆行する過程と考えてきた。しかしシュタイナーにおいては霊性進化は星の輪廻転生の中で進行し、星の輪廻・転生が人間の意識と肉体の進化に対応している。従って宇宙の進化と人間の霊性進化は重ならなければなら ...

バッハオーフェンは帝政ローマ時代のプラトン研究者、プルタルコスを何度も引用し「太陽、月、大地の三重のエロス」というテーマを示している事は以前書いた。しかしプルタルコスの「愛をめぐる対話」を読むと、月を太陽と大地の中間者と見なす発想は出てくるものの、太陽は ...

西のグノーシス主義の代表がバレンティノス派のプトレマイオスだとすれば、東のグノーシス主義の代表はマニ教と言える。キリスト教神学の基礎を作ったアウグスティヌスは最低9年間マニ教の教師だった。ローマ建築の中庭を意味する「アトリウム」ではキリスト教徒とマニ教徒 ...

グノーシス主義を代表する神学としてヴァレンティノス派の大成者プトレマイオスの説を概観してみたい。下は僕が最もグノーシス主義を感ずるイギリスの画家、「魂の幻視者」の異名をとるウィリアム・ブレイクの描いた「ユリゼン」という名の神である。 ブレイク自身の説明で ...

僕のブロ友で動物の骨は地球の固体部分に当たるのではないか?という問題提起をしている記事がある。https://blogs.yahoo.co.jp/himeraretasizen/40311000.html#40311377生物学では器官を動物性器官と植物性器官に分類する。神経系、筋肉系など運動、感覚に関わる器官が動物 ...

神秘主義に興味の無い人にとってデカルトはただの退屈な近代主義者と映っているかもしれない。しかし神秘に対する鋭敏な感覚を持つ者にとってデカルトの解析幾何学はパスカルの「射影幾何学」、ライプニッツの「位置解析」と共にピュタゴラス以来ルネサンスまで途切れる事な ...

(4)因中有果論因中有果論はそもそもインドの六派哲学の中で大きいテーマとして議論されてきたもので、結果として生ずるものはそもそも初めから原因の中に含まれていたものだ、とする説である。これは「無から有は生まれない」事が根拠になっている。神秘主義的なサーンキ ...

カール・シュミットはライプニッツを典型的な「バロック哲学」と見なしている。確かにルネサンス的な神秘主義と近代的な力動的世界観が混在している点ではバロック的と言えるかも知れない。「モナド間の予定調和」はアダム・スミスの「神の見えざる手」と見事に呼応し、近代 ...

ライプニッツのモナド論について3回に分けて述べたいと思う。モナド論はその様々な時代的制約にも拘わらず、「大宇宙と小宇宙の照応、一致」という神秘主義の共通テーマを哲学的に考察した点で現代でも多くの示唆に富んでいる。時代的制約と言うのは、(1)まだ近代的原子 ...

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