パレストリーナは1527年のローマ略奪以後、もっぱらイエズス会のために音楽を書いた。


彼は後期ルネサンス音楽に括られる事が多いが、精神的には後期ミケランジェロと同様に典型的な「ローマ・バロック」である。


歴史的にはフランドル学派の対位法と、イタリアの素朴な美しい
メロディーがジョスカン・デ・プレにおいて合体し、さらにパレ
ストリーナで最高度に洗練されたと言われる。


ゴシック精神の延長としての対位法が、ルネサンスの人文主義的情感と合体する事で「ハイブリッド」としてのパレストリーナ音楽が生まれた訳だ。 


初音ミクの声は、パレストリーナと意外な相性の良さがある。
倍音の多い、トーンの高い音は不協和音に合っている。


またヴィブラートのない声はバロックに合っているのだ。


この曲に関しては、どの本物の合唱団よりも初音ミク版の方が美しく聞こえる。