陽水のセカンドアルバム「センチメンタル」の1曲目だ。

前奏の美しいストリングスはどこか寒々とし、後に続くアルペジオもギターより硬質で冷たい音だ。

寒い・・・・・風が吹いている。

この潮風は心を吹き抜けるすきま風だ。

いかにも「傷心旅行」という雰囲気だが、陽水の声は意外と伸びやかでむしろ明るささえ感じさせる。
 

サングラスをかけた陽水はデッキの鉄柵にもたれながら無言で水平線の彼方を見ている。何も考えない。

「新しい世界を探すんだ」そう呟いた彼はサングラスを額に上げた。
 
しかしもう世界の「やさしさ」は壊れてしまっていた。