いわゆる「陰謀論」に関する僕の基本的見解を書く。


フリーメイソンは昔も今もキリスト教神秘主義を基本にしたグノーシス主義の団体である。そのマークのコンパスと定規の間にある「G」の文字はグノーシスの略である。



ユダヤ陰謀論は恐らくロスチャイルド財閥を筆頭としてゴールドシュミット、シュテルン、グッゲンハイム、グンツブルグ、ハンブロー等ユダヤ資本家の巨大な力がそう思わせるのだろう。彼らは国際金融やメディア産業の分野で非常に大きな影響力を持っている。



しかし国際金融財閥が全てユダヤ財閥ではない。ベアリング、ギネスなどキリスト教財閥も健在だ。ユダヤの勢力が強いというだけでは「ユダヤ勢力」とは言えない。


国際金融財閥の行動原理とユダヤ教の性格の間に内的連関が示されない限り、僕は「ユダヤの陰謀」という言葉は拒否するつもりである。



これはいかに日本の神社の形がユダヤ教の何かに似ていようと日本人の血にユダヤの血が混じっている事が証明されようと、ユダヤ教と日本の伝統文化に内的連関が証明されなければ「日ユ同祖論」が無意味である事と同じ理屈である。



またフリーメイソンのトップに立っているのはあくまで王族、貴族である。ロスチャイルドも当主は貴族に叙せられているが、その地位は低い。





メイソンにもいろいろな派閥があるが、最も大きな勢力はイギリス王室を頂点とするスコッチ・メイソンであろう。スコッチメイソンのトップに立っているのはエリザベス女王とシンクレア家である。


15世紀頃はスコッチメイソンの「大親方」はシンクレア家によって世襲されていた。

ケント公、エディンバラ公、モルバラ公も常に大幹部の地位にある。





メイソン自体が国際謀略を担う時代はもう終わっている。現代ではメイソンのトップより少し下にいる人達、政治家や軍人、財界のエリート達が「軍産複合体」を形成し、それが謀略を練っているのだ。