バッハの旋律には隠された象徴的意味があると言う。その研究はアルベルト・シュヴァイツァーからズメントとテリーに継承され定式化されたのだそうだ。

上の定式の内、僕がさしあたって興味があるメロディーの象徴的意味について転載してみると・・・・


① 順次進行での下行音階・・・受肉によるキリストのこの世への降誕、又は神によって叶えられた祈り、神の慈悲。

② 順次進行での上行音階・・・祈り、天にむかっての願い。

③ この2つの音形の組み合わせ・・・天による受容、神によって叶えられた祈り。

④ 平行六度(又は三度)での順次進行・・・神の御意と人間の願いの一致、又は、父なる神の御意へのキリストの服従。

⑤ 跳躍での下行(主に5度かオクターヴ)・・・受肉によるキリストのこの世への降誕。

⑥ 増音程、減音程での跳躍下行・・・墜落、罪、堕落。特定の感情概念を表すものとしては、苦悩には、ほとんどの場合イ音から嬰ニ音が使用される。

⑦ 跳躍での上行(主に5度かオクターヴ)・・・復活、栄光。

⑧ 最初と最後の音が同一音の近接する4音の組み合わせ・・・4つの分枝をもつ十字架。

⑨ アルペッジョ・・・聖霊。

⑩ 韻律上の長短短格(ダクティル)のリズム型・・・喜び、希望。喜びの概念はしばしばトリルを伴う。

⑪ スラーがつけられた下降音型の反復・・・受容された苦悩、又は引き受けられた重荷。 

⑫ シンコペーションのリズム・・・絶望的な苦悩。

⑬ 下降の半音階進行・・・人間の苦悩、キリストの受難。

⑭ 同一音の反復・・・神のおきて、又は仮借なき必然性。

⑮ フランス風序曲・・・喜ばしい威厳、行進、呼吸。



ここでBWV1026をヴァイオリンとピアノのヴァージョンで聴いてみよう。



ピアノだと分かりやすいのだが、これは次のようなメロディーが原型になっている事が分かる。(分かり易い様にCのキーに直してある)

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これは上の定式④、平行6度の順次進行に当たる。
この原型は前半だけが「トッカータとフーガ Dm」などにも応用されている。

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僕は「虹の七色とオクターブの七音の関係」と同様、これをそのまま信じるのではなく「相似象」としての濃度、蓋然性を検証したいと思う。これはコード進行に対する新しい見方を提供している。

これはオーラソーマやヌーソロジーに匹敵する精神科学の新しい領域ではないだろうか?