三つ以上の物体が互いに重力を及ぼし合う系は一般的には積分する事ができない。(即ち解析的に解く事ができない。)
ラプラスが気付かなかったこの問題に初めて気づき追及したのがポアンカレである。

恒星・惑星・衛星系は長い間に安定に向かうとは限らずカオスにもなりうる。
ポアンカレはこの安定・不安定が公転周期の共鳴現象に関係している事を明らかにした。


共鳴現象は二つの星の周期の比が2:1、3:2など簡単な整数比に近い時に起こる。例えば木星の衛星オイローパの公転周期3.551日は衛星イオの1.769日の約2倍で、相互作用によってイオの軌道がより細長くなり、潮汐にも影響を与え、火山活動を刺激する。

衛星間に比べ、惑星間は距離が大きいため軌道共鳴が起こりにくい。


共鳴の最も顕著な例は火星と木星の間にある小惑星帯で見る事ができる。
木星の公転周期と2:1、3:1、5:2の軌道共鳴を起こす距離の付近だけ小惑星が少なく「隙間」が存在する。(下図)

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その理由は太陽、木星、小惑星の三体問題として解かれ、実際にコンピューターで計算されたのは1981年である。

太陽と木星の重力効果により小惑星の軌道はカオスとなり、火星と衝突したり散乱したりする事が分かった。


また共鳴は衛星の自転周期と公転周期の間でもよく起こる。最も単純な例は月の1:1の自転・公転共鳴である。

太陽系の衛星の多くは自転と公転周期が共鳴しており、これは潮汐作用のため自転が遅れていき、ちょうど共鳴状態の所で落ち着いたのである。


コンピューターによる何億年も先までの数値計算で太陽系もカオスとなり得る事が分かった。例えば地球の位置に15mほどの誤差が出ると1億年先の位置を予測するのは不可能となる。