ランダム・フラクタルの最も単純で応用範囲の広いモデルとして注目されているのが「拡散律速凝集」( DLA : Diffusion-Limited Aggregation )である。
周知の通り、水面上の微粒子はブラウン運動と言われるランダムな運動をしている。水面の中心に粘着性の種粒子を置いた時、微粒子はブラウン運動をしながら種に少しずつくっついて結晶が成長する。
このDLAモデルは1981年にウィッテンとサンダーによって数学的モデルとして提出され、その後、金属結晶や雪の結晶、土への液体の浸透、ひび割れ、稲妻の形など多くの現象を説明できるモデルである事が確かめられ、その応用範囲の広さに注目が集まっている。
ブラウン運動は拡散方程式に従う事が分かっているから、DLAモデルは拡散粒子の凝集のモデルであり、拡散の原理が凝集における「ゆらぎ」を生み出す点がミソなのである。
雪の結晶の様に整った樹状結晶に関しても、逆にどの様な条件で「ゆらぎ」を最小にできるか、というシミュレーションを行う事で、整った結晶構造の核心に迫る事ができる。
このDLAモデルは次の様な特徴を持つ。
(1)ランダム・フラクタルである事。
ランダム・フラクタルでは自己相似性は大まかに直感で感じ取れる。しかしここまでフラクタルを拡張するとランダムとの区別が曖昧になるのではないか?こういう疑問が生じるのは当然だろう。
しかしただのランダムとランダム・フラクタルをはっきり分ける指標がある。前に挙げたこの資料
http://hr-inoue.net/zscience/topics/fractal/fractal.htmlに分かり易い説明があるので借用する。
自己相似の場合はサイズを1/2、1/3にした相似形とその数から相似次元が分かるが、サイズの縮尺とその数を右下の様に対数目盛にすると直線になる。
つまり2つの量は非線形だが、対数を取ると1次方程式で表せる線形の関係になる所がランダム・フラクタルと全くのランダムを分ける決定的な指標である。これはハウスドルフ次元で円の直径とその数に変えても全く同様である。

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