昨日はマラルメの詩論の関係でポーとボードレールの詩論をもう一度復習している内に「吸血鬼カーミラ」を全文翻訳したブログを見つけて( https )一日関係ない読書をしてしまった。
ダイアン・フォーチュンは「心霊的自己防衛」の中で実際にあった吸血鬼の例を挙げている。或る夫婦が満月の夜になると夫が癲癇の痙攣を起こし妻が悪夢にうなされる様になってフォーチュン氏に相談してきたというもので、夢の中だけに現れる心霊的吸血鬼であった。フォーチュンによれば、吸血鬼は(アストラル体ではなく)エーテル体の離脱ができなければ有り得ないとしている。
カーミラはドラキュラよりフォーチュン氏の説明した心霊的吸血鬼に近く、またドラキュラほど怖くはない代わりに濃厚な同性愛とサディズムの香りが充満する、まさにゴシックロマンの典型であった。
カーミラは女性の吸血鬼なのだが、同性のローラを抱きしめ、熱い吐息と共にこんな事を言うのである。
可愛いひと、私はあなたを傷つけてしまったのね。私を心ない乙女だと思い給うな、なぜなら私は自分の強さと弱さの抗いがたい法則に従っているだけなのだから。あなたの可愛らしい心が傷を負う時、私の心もまた乱れ、血を流します。私はこの大いなる屈辱のよろこびのうちに、あなたの命の中で命を得、そしてあなたを殺します。あなたは私の命の中へ快く滅びてゆくことでしょう。それは仕方のないことなのよ。私があなたに近づいたように、今度はあなたが他の誰かに近づいて、このむごたらしい喜びを知る、それもまた愛なのだわ。だからしばらくは私や私の身のまわりのことを知ろうとはしないで。ただあなたの慈しみ深い魂のすべてで私を信じていて。
まあそんなわけで昨日は遊んでしまいました、という報告です。
<(_ _)>

コメント
コメント一覧 (5)
退廃的で耽美な雰囲気が良いですよね。フフ。
『心霊的自己防衛』ってミトラさん、魔術関係の本もお読みになるの?
ミトラ
が
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怪談もその国の文化で大きく変わりますね。
僕は文化の裏表を知るためには幽霊、妖怪の話を読む事が必須だと思っています。
僕は自分の実践法としては、試行錯誤の末に
武道、気功、座禅 というメソッドに固まっていますので西洋魔術は西洋神秘思想を理解する手段として読んでいるだけです。自分でやる気はありません。ご安心ください。笑
まあダイアン・フォーチュンくらいですね。クロウリーなんか全く読む気になれません。苦笑
ミトラ
が
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ミトラ
が
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確かに幽霊や妖怪の話から、その文化に於ける死生観や恐れるもの、先祖の扱い等、垣間見えるものがありますね。
遠野物語も読まれましたか?国内だけでも地域によって少しずつ死生観が異なっているように思いますね。
家には国書刊行会のアレイスター・クロウリー著作集も揃っていますよ、一応。(笑)
昔、魔術関係の本を集めていた時に色々買い揃えました。(^^ゞ
ユイスマンスですか。彼の著書は『彼方』を読んだことがあります。大分昔なので残念ながら内容はあまり覚えていませんが。『さかしま』なども読んでみたいですね。
ミトラ
が
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「近代日本思想史」のカテゴリーに入れた神島二郎の本は丸山真男と柳田國男を総合しようとした意欲的なものです。
http://bashar8698.livedoor.blog/archives/15773722.html
あっ、そう言えば前に話題になった共同幻想論も柳田とマルクスを総合したとも言えますね。
日本の中でも山の民、海の民の違いがあり、ヤマトと出雲でも世界観が違っていたでしょう。
ユイスマンスではやはり「彼方」を読みたいです。
あまり読み過ぎると悪霊に取り憑かれそうなので程々にしておきます。笑
ミトラ
が
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