イヌイット(エスキモー)では太陽神マリナと月神イガルクの由来、日月別離神話が近親相姦のタブーと絡めて伝えられている。https

引用すると、

昔、兄と妹が大きな村に住んでいた。村には歌小屋があり、妹は毎晩仲間たちとここで楽しんでいた。

ある時、歌小屋のランプが全て消え、誰かが彼女の所へ来て強姦したが誰なのか分からなかった。しかし同じことがまた起きた時、彼女は手に煤を付け男の背に塗りつけておいた。ランプがつくと暴行者は兄だったのが分かった。

彼女は大いに怒り、ナイフを研いで口分の両乳房を切り落とし、それを兄に与えて「私を食べたいようだからこれでも食べて」と言った。兄はかっとなったが 彼女は部屋を走って逃げた。彼女はランプを灯すための、明るく燃える松明をつかみ、小屋から飛び出した。兄も別の松明をつかんで追ったが、転んで火を消してしまい、ぼんやりとしか光らなくなってしまった。 

2人はだんだんと上昇し、途中で妹は太陽に、兄は月に変じた。

新月が現れると彼女は歌う、「兄が来た、兄が輝き出した、明るく。兄が来た、兄がやって来た」 


これは兄妹間の性的暴行事件だが、歴史的には血族婚からプナルア婚、内婚から外婚への転換に伴う葛藤が表現されているかもしれない。

上の資料によると、これと同様の月による近親相姦の物語はアメリカ大陸、韓国、 インド、テュルク、サーミ、アイスランド、アフリカなどに広く見られるそうである。



月による乱暴、狼藉による日月別離神話という点では日本神話も同じパターンに属している。
「日本書紀」によれば、保食神(ウケモチ)が口から出したご馳走で月夜見尊(ツクヨミノミコト)をもてなそうとし、月夜見尊は怒って保食神を剣で切り殺した。これを知った天照大神は激しく怒り、「汝は是悪神なり。相見えじ」と語って以後、太陽と月は離れて住む事になったと言う。