
僕のブログの中で「Lovers」の長袖の舞の記事がいつもアクセスの1/3くらいを占めているのだが(笑)中国人の読者だろうか? 或いは日本の武術太極拳の関係者だろうか?
閲覧者に感謝の意を込めて「Lovers」の9年後、チャン・ツィイー氏がさらに高度な武術を披露した「Grand Master」についても触れてみたい。
あらすじはここに書かれている。https
1930年代の中国。引退を決意した北の八卦掌の宗師、宮宝森(ゴン・バオセン)は、一番弟子の馬三(マーサン)と、南の詠春拳の宗師・葉門(イップ・マン)を後継者の候補と考えていたが、バオセンの奥義を受け継ぐ娘の宮若梅(ゴン・ルオメイ)も自ら名乗りを上げる。しかし、野望に目のくらんだマーサンがバオセンを殺害。ライバルでもあるイップ・マンに惹かれていたルオメイは、その思いを封印して父の復讐を誓う。
この八卦掌の宗師の娘、ルオメイを演じるのがチャン・ツィイーである。
ストーリーは別として、この映画は内家拳の八卦掌と南拳の詠春拳の技がどの様に絡み合うか、中国武術に関心のある人間にとっては何と言ってもそこが見どころだ。
どちらも詳しくない僕にとっては「おー、凄いなぁ!」という程度しか解らないのだが(笑)これから何度も繰り返して見れば勉強になるかもしれない。
八卦掌は下の様に身体を反転させたり、円を描くステップで相手の背後に回り込む攻撃に特色がある。
これを見ただけで解るようにそう簡単に身につくものではない。中国武術の中でも最も奥が深く難易度が高いとも言われる。
チャン・ツィイー氏はこの映画を撮影するために3年にわたって3人の本物のグランドマスターから武術の特訓を受けたそうだ。それは「非常にタフで厳しかった」と彼女は述懐している。心の広い彼女はその厳しい訓練で悲鳴をあげる舞台裏まで公開してくれた。
もともと素晴らしい運動神経を持つチャン・ツィイー氏である。これを機に他の流派にも挑戦し「女性ジェット・リー」となる事を期待したい。
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さて、実は本題はここからである。
上の動画の 0:20辺り、両手を回しながら受ける練習をしている。右手を内回し、左手を外回ししているが剛柔流の回し受けはこの辺りに源流があるかもしれない。
これを見て前に保留となっていた(http)陳家太極拳の纏絲勁の手首の返しの意味が解った様な気がしたのである。両手ともに「小指側が先に進む様に回転する」事の意味は「手首の返し」ではなく円の上半分の相手の拳を受ける時の実戦的意味に主眼があるのだと考えれば簡単に説明できる。内回し受け、外回し受け、どちらの場合も小指側で相手の衝拳を受ける。
この当たり前の事に気づかなかったのは、右手の内回し受けから左手の外回し受けというコンビネーションを今まで練習していなかったからだ。表面的な理解かもしれないが根拠の一つではないだろうか?

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