辺りに地鳴りの様な低い音が響いていた。それは「ゴー」というよりは「オーン」と聞こえた。人間の耳で聞き取れる限界の低さだが妙に鼓膜を刺激する圧迫感があり微かな地面の振動を伴っていた。
ダリの「燃えるキリン」の中へ入って先ず気付いたのはこの地鳴りと大気の発光である。外から見ると夕方の空、しかしそれにしては明るい不思議な空に見えたが、それは空気自体が発光しているからだったのだ。
燃えるキリンは遠くをゆっくりと歩く。身長50mはあろうかと思われる巨大な女性が二人、悶え苦しみながら歩いている。脚からは欲望の抽出しが飛び出て、背骨からも何か蛇の様なものが飛び出している。蛇は一つ一つの脊椎骨から一つずつ出ているように見えた。オーンという地鳴りに誘われそれに合わせて飛び出して来たのだ。
私は理解した。地鳴りは地球が自転する音であり、しかもそれが女巨人の尾底骨に共振してクンダリニーを暴れさせているのだと。
オーンという地鳴りの音はマントラのAUMに近い。いや、本来マントラのAUMがこの地球の自転する音をヨーギが聴き取ったのかもしれない。
不気味な地鳴り音とクンダリニーの熱と空気の振動と発光、全てが共振しているのだ。しかもこの振動の波形は凶々しき波長と波形だ。それがキリンを燃やしているのである。
「凶々しい青」それがダリの絵を理解する一つの鍵である事を私はアストラル投射でようやく知った。「風の谷のナウシカ」で王蟲が怒り、腐海が溢れる時に老婆が感じ取った「大地の怒り」・・・・
だが問題はダリがその「大地の怒り」に共鳴できずにいる点にある。彼の性的サディズムの故に。彼は戦争を予感しながらそれよりももっと恐ろしい悪魔を自分の中に認める故に世界に対しシニカルな態度しか取り得ないのだ。

コメント
コメント一覧 (16)
2歳で病気で亡くなった愛犬が夢枕に立ったとき、何者かの幽霊かと思って直視しなかったぼくが半分眠っている状態の中、彼が「オーン、オーン、オーン」と低い男性の声で鳴きながら去っていったことを覚えています。
世話になった「恩」なのか、病気で死なせてしまった「怨」なのか、と考えていましたが「オーム」という可能性もあったのかな、なんて思いました。
ミトラ
が
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地球の自転はコアやマントル対流を方向付けて磁極の原動力となる他、海流や大気の循環を引き起こす、つまり地球上のほとんど全ての運動の原因となっており、これは人間のクンダリニーの役割りとよく似ています。
しかし今のところ僕の直感です。もしかしてヨーガやカバラー、シュタイナー、ヌーソロジーなどで何処かで触れているかもしれませんね。
今、「地球のクンダリニー」と検索したらいろいろ面白い資料が出てきましたよ。笑
ミトラ
が
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そうだ、ミトラさんにアストラル投射について聞いてみたかったのです。体験談をもう少し詳しく!(笑)
ミトラ
が
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フワッと浮くと同時に「ブーン」というモーター音の様な音がして天井まで浮かび自分の身体が下に見えました。
完全な幽体離脱はその一回だけで、その他は幽体離脱と夢の中間とか、幽体離脱と金縛りの中間の様な事は何回か有りましたけどね。
金縛りの時は変なお婆さんが僕の両足を押さえつける恐い体験もしましたよ。あれは沖縄へ行った時だったかな?
ミトラ
が
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やはり体験されますと、幽体(アストラル体)って本当にあるんだ、と思いますか?
それともあれはリアルな幻覚だった、と思いましたか?
私は金縛りは殆ど起きたことが無いので、また金縛りに遭ってみたいです(笑)
ミトラ
が
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それは微妙な質問ですね。僕はもちろんアストラル体、エーテル体は実際に有ると思っています。エーテル体は全ての生物に有り、アストラル体は動物にだけ有ります。
しかし同時に、リアルな現実と夢、幻覚はハッキリ分けられるものではないと思っています。この世の存在は全て幻覚と考えるのもある意味では真実です。
貴女も知っていると思いますが、アレイスター・クロウリーは魔術を「自在に幻覚を見る技術」と定義しています。カスタネダがドン・ファンから教わった様に、夢をコントロールできるようになれば、それが現実に影響を与えます。
アストラル体とエーテル体は現に存在しますが夢の世界と繋がっているものです。
気功をやっているとエーテル体の濃度が濃くなるので夢見が変わってきます。
ミトラ
が
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かなり危険な領域に首を突っ込む事になるのでやめた方が良いと思います。笑
それでもどうしても体験したいのなら、湿度の高い所で眠ると起きやすいと思います。
ミトラ
が
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カスタネダ、懐かしいですね!昔夢中で読みましたよ。クロウリーも、一応(笑)
気功で夢見が変わってくるのですか。ミトラさんも普段から夢は見られるほうですか。
いつも丁寧なご返信ありがとうございます(^^)
ミトラ
が
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やはり神秘主義関係を広く読んでいますねえ。それなら道教や気功、東洋医学にも詳しいのでしょうか?
僕も気功歴は結構長いので色彩やストーリーのハッキリした夢を見るようです。しかし「夢コントロール」とかそっち系を目指していないので目覚めるとほとんど忘れています。3、4日たってひょんな事から「あっこれは夢で見た光景だな」などという事が多いです。
僕の気功は今では「武道の動作における気の流れを観察する」という目的に徹しております。
ミトラ
が
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道教に関しては、道教に関する本を数冊読んだことがある程度です。東洋医学はよく分かりません。気功は昔、高藤総一郎の本を何冊か読んだことがあるくらいですね。仙道奥義書、みたいな(笑)。講談社現代新書の『「気」で読む中国思想』も読みましたが、こちらはなんだかよく分からなかったです。あとは整体と気に関する本も読んだことはありますが、いずれもなんとなくこういうものかな、と知っている程度ですね。(^^ゞ
ミトラ
が
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数札読むだけで凄いですよ。笑
僕なんかその高藤聡一郎の「超能力仙道入門」と学研のNEW SIGHT MOOK Booksシリーズの「道教の本」を読んだだけで解った気になってますからね。笑
シャンティ・フーラの竹内雅俊さんという方がアーユルヴェーダと漢方医学と神智学を統合しようとしているので今後彼から大いに学ぼうと思っています。
https://shanti-phula.net/ja/social/blog/?p=238578
ミトラ
が
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「超能力仙道入門」と「道教の本」、私も同じものを持っていたような…(笑)
あの赤い本シリーズ、何冊かあった気がします。
アーユルヴェーダーと漢方医学と神智学の統合ですか。へぇ~色んなのがあるんですね。
でも神秘主義、魔術、気功、人智学、ヌーソロジー、こういったものは幻想の学であっていわば空中楼閣。
真理の探究にはまずは歴史や科学といった普通の学問のほうが大事だと私は思っておりますよ(´`)b
ミトラ
が
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うーん、空中楼閣ですか・・・・
残念ですがそれが大多数の人の意見でしょうね。
僕の考えは逆に形而上学的理念が無ければ科学も歴史も成立しないし、その形而上学は最後には神秘主義的な物によってしか意味付けできないと考えています。
現代の唯物論的な「行動科学」や「認知科学」の不毛さを見て下さい。
ミトラ
が
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ミトラ
が
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具体的な事を考えた方が良いでしょう。
例えば啓蒙主義の歴史的位置付け、これが分からないとフリーメーソンリーが市民革命の時代に前衛としての機能を果たしながら、なぜ現代では軍産複合体に占領されてしまったのか?
理念の構造を知らなければいくら新聞を詳しく読んでも歴史を認識する事はできません。
ミトラ
が
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ロマン派は初期においては市民革命に同調しながらなぜ最終的には反革命の立場に転ずるのか? こういう事もいくら新聞を読んでもわかりません。
これで納得がいったでしょうか?
ミトラ
が
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