ジャズに関して僕が今自分に課しているテーマは次の3つである。

① コルトレーン以外のモードスタイル、特にウェイン・ショーターを聴くこと
② スウィング時代のカウンターメロディーを研究すること
③ ジャズ・ファンクやアシッド・ジャズなどにも興味を拡げること

そういうわけで今日はウェイン・ショーターの最も有名な曲を聴いてみよう。


  


この曲はモーダルなマイナーブルースだが、サビ(17〜20小節)の部分がモード初心者の僕にとっても違和感がなくスムーズに聴こえる。何故だろうか? それはこのサビの部分が  lll  Vl  ll  V に近い感覚に聴こえるからだ。

lll  Vl  ll  V 
とは、例えば C のキーでは Em A7 Dm G7 の様なコード進行である。これは Em A7 D と Dm G7 C の二つの ll  V  l を合体させた形である。そこでネットで見つけたコード進行を見てみると、

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こちらからお借りしました。https



C や F の次の − はm(マイナー)の意味である。最初のコードは Cマイナー11th である。また 
ø 7 は「ハーフディミニッシュ」と言ってm7♭5 と同じである。だから17小節目は F♯m7♭5 ということだ。
この曲はCm7とFm7のマイナーブルースだ。サビの部分は  lll  Vl  ll  V すなわち Em7♭5   A7  Dm7♭5   G7 を二度上に上げた形の変形になっている。二度上に上げたのが何故スムーズに聴こえるのか、それが分からない。

と思って上の資料をよく読んだら答えが書いてあった。
Em7♭5   A7 を Dm7と、Dm7♭5  G7 を Cm7と読み込んでしまうのだ。つまりサブドミナント→ドミナント7→トニックの流れではドミナント7はもともとトニックと同系なので、サブドミナントを無視して全てトニックと解釈するのである。これを2度上に上げると、Em7  Dm7  Cm7 と繋がる事になる。

このサビは部分的には 
lll  Vl  ll  V 
というビバップのパターンを使いながら全体の構成はクロマチックな進行になっているのだ。 

今回はコードの説明なのだが、この曲はメロディーにも何かカラクリがありそうだ。マイナートニックに対しドリアンスケールを使っているのだが、なんだか別のキーのメロディーに聴こえる。しかしそれはまたモードについてもうちょっと勉強してから・・・・