前回の「分化と統合の形而上学 ①」だが、初めに挙げた下の表、フォノン氏との議論の結果、撤回する事にした。

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いろいろと矛盾がある事が判明したからである。矛盾を簡単に箇条書きにすると、

① モナドは窓を持たない。これはモナドが他者と隔絶されている事を意味する。しかしそれでは「ミクロの要素間の動的協力」は起こらない。動的協力は「予定調和」とは全く異なる。

② ゲマインシャフトよりゲゼルシャフトの方がエントロピーは減少する。

ただし下の二段だけは原子を「ホロン」に変えて残す事にする。

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上を説明すると、原子論をホロンに変えたのはそちらの方がドンピシャリになるからである。アーサー・ケストラーの概念「ホロン」はまるでライプニッツのモナドが世界に窓を開きピラミッド状に階層化されたものと考えられる。
https://kamakura.ryoma.co.jp/~aoki/paradigm/holon.htm

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中間のホロンは下層から見れば全体であり、上層から見れば部分である。生物でも社会でも分化(分業)が進むほどフラクタル性は失われていく。ただしゲマインシャフトにも階層構造はあるのでその辺をもっと理論を詰める必要がある。



次に省いた4段を説明する。

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実はこれは清水博氏の「生命を捉えなおす」を要約したものである。右は散逸構造が生じる場合、左は生じない場合である。

僕は以前からこれがフロイトの「エロスとタナトス」に繋がると考えてきた。初めて地球上に生まれた生命は自然から見て異常な状態であり、「古い状態に戻る」という自然の摂理によって死に戻ろうとする力(タナトス)が働いたが、それに対抗して生命を維持しようとするエロスと葛藤する。
同様に散逸構造はエントロピー増大という自然の法則と葛藤して動的秩序を維持しようとする。エロスと散逸構造は「動的秩序の維持」という点で共通する。


結局、前回の表は二つに分割される事になる。

これを「分化とフラクタル」及び「ミクロとマクロの連続か断絶か」の2点だけを見てゲゼルシャフトとゲマインシャフトの表に散逸構造を入れ込もうとしたのは誤りだった。

間違いに気づかせてくれたフォノン氏に心から感謝する。

この記事は日曜に公表する予定だったが、早めて今公表する事にした。