カテゴリ: 🔵 神話学

以前書いたデュメジルの三機能論とパーソンズのAGIL図式の関係について、ヘルメス博士のお墨付きを得た(笑)ので保存する。httpパーソンズのAGILの4機能は生物にもありませんか?非常に鋭い問いです。タルコット・パーソンズのAGILパラダイムは、本来は社会システムや行動シ ...

懸案を片付けよう。 問題設定を繰り返すと、女神(特に大地母神)と龍神信仰と十一面観音が結びつく根拠は何か?という事である。前回ではロベール・エール、ルドルフ・オットーからエリアーデ、バタイユへ連なる「両極の聖性」をより分かりやすく、包括的にするため「恐怖と ...

先ずルドルフ・オットーの「聖なるものの両義性」の概念を僕に分かりやすい様に拡張・修正したい。オットーの両義性は「聖なるもの」の性質が近寄りがたい、畏怖すべきもの(反発力、斥力)と魅惑的な引き寄せるもの(吸引力)の合成にあるという点を核心とする。この「畏怖 ...

白山は富士山、立山と並んで日本の三大霊山と言われる。白山は活火山で最後は江戸時代1659年に噴火の記録が残っている。火山といっても一つの山ではなく、石川県、福井県、富山県、岐阜県にまたがって2000m級の山が連なる連峰であり、その頂上は御前峰、大汝峰、剣ヶ峰で構成 ...

次第にハーディングの書が理論的というよりは「月の女神」 の現象記述というべき性格である事が分かってきたので、そのつもりで理論的根拠も探しながら豊かなイメージも味わいながら読み進めようと思う。ハーディングは具体的な動物象徴の意味を考えるが、あまりその思考は普 ...

エスター・ハーディングは初期の月神の表現として石柱(鉱物)、月の木(植物)、月の動物を考察する。女神と植物、動物の関係、その象徴的意味については既にノイマンの説を検討した。http  http  http   当然ハーディングとノイマンの説を比較する事になる。ノイマン ...

バッハオーフェンでは父権制と太陽信仰、母権制と月信仰がほぼ重ねられている事はこれまでに繰り返し書いてきた。父権制はアポロン、母権制は基本的にはデメテルとアプロディテ、また歪んだ形でアマゾンとディオニュソスに現れている。彼は父権制と母権制の闘いを「大地の支 ...

新年早々大きな買い物をしてしまった。この2冊は前から買いたかったのだが図書館にもあるので躊躇していたのである。しかしいろんな周辺の情報から手元に置いて何度も繰り返し読むべき書であると確信し「エイヤ!」とばかりに買ってしまった。吉田敦彦氏の方はKindle版である ...

 最寄りの図書館でエスター・ハーディングの「女性の神秘」を借りる事ができたのでこちらを優先したいのだが、どうもなかなか記事を書く作業が進まなくて不思議に思っているところだ。もしかして僕のアストラル体に吸気(読書や瞑想による吸収)と呼気(ブログを書く事によ ...

         ユングの元型論に影響を与えた錬金術の図像ユングに対する批判は多くの立場からなされているが、僕が最も豊かな潜在的拡がりを持つと直感したW.ベンヤミンの批判を取り上げる。しかしその前にレヴィ=ストロースとM.ブーバーのユング批判も一瞥しておきたい ...

  ブロ友のピリア氏が「天気の子」について6回にわたって解釈を書いている。https://inspiration.hateblo.jp/たまたまYouTubeで全部見る事ができたので僕もじっくりと鑑賞させてもらったのだが・・・・・僕はナウシカや手塚治虫の火の鳥は手放しで絶賛するのだが、これは ...

 「ユング心理学から見たアマテラス神話解釈の可能性」と称する論考が見つかったので読んでみたのだが・・・・正直言ってガッカリだ。https高級な皿に不味い料理が載っている印象である。苦笑第一非常に似ていると言われるデメテル神話との比較に一言も触れないのは如何なも ...

生物学もかなりブランクが開いたのでこれまでのテーマの流れを復習する事から始めたい。僕はゲーテの「原型とメタモルフォーゼ」というテーマを生物学だけでなく化学反応、鉱物結晶の幾何学、比較神話学、深層心理学、政治経済思想史まで拡大できると信じている。生物学では ...

尾形希和子氏の「教会の怪物たち」(下写真)を慎重に検討してきたが、残念ながらタントラ美術の「ディオニュソス的エロス」の解明にはあまり役立たないと結論するに到った。尾形氏の書から「怪物の源泉」を辿れば次の様なものに辿り着く。聖職者が抑圧しようとした性欲民衆 ...

これまで分かったのは次の繋がりである。ドラヴィダ様式・・・聖典シヴァ派・・・サーンキャ的二元論・・・プルシャの傍観者性アーリア様式・・・カシミール・シヴァ派・・・不二一元論・・・ブラフマンとクンダリニーの歓喜前に「タントラ的なものはヨーガによる内省的修行 ...

<神学的問題 聖典シヴァ派のmala>前に書いた様にシヴァ派ではカルマだけが個我の汚れではなくより根源的汚れとしてmalaを考えるが、聖典シヴァ派ではmalaが物質性のものである事が強調される。これは不浄は全てプラクルティの開展からくるというサーンキャ説の継承である ...

だいぶ頭が混乱して暗礁に乗り上げていたのだが(笑)分かった事から書いていこうと思う。4世紀にサーンキャを集大成したイーシュヴァラクリシュナは二元論、ヴェーダーンタを完成した8世紀のシャンカラは一元論(不二一元論と呼ばれる)、同じヴェーダーンタでもヴィシュ ...

シヴァ派の根本聖典はアーガマと呼ばれ多くが紛失しているが28のアーガマのリストが記録されている。前回の表に書いた様に聖典シヴァ派は二元論的、カシミール・シヴァ派は一元論的という違いがあるが、根本アーガマに依拠する点では共通している。シヴァ派の二元論と一元論 ...

まずは分かりやすいようにシヴァ派の簡単な系統図を示すと、 パシュパタ派は最も初期に成立したシヴァ派の原型であり、その理論的影響は全てのシヴァ派に及んでいる。個我(アートマン)は本来はシヴァ神と等しい能力を持つが、三重の束縛(パーシャ)に覆われているため能 ...

天照大神の天の岩戸事件はギリシャ神話のデメテルとの類似性が指摘される。httpデメテルは大地母神、天照大神は太陽神だが、女性性を侮辱された事への怒り、悲しみで隠棲し、その結果農業が壊滅する。インド神話でも類似した、しかしある意味では対照的なストーリーがある。 ...

 イヌイット(エスキモー)では太陽神マリナと月神イガルクの由来、日月別離神話が近親相姦のタブーと絡めて伝えられている。https引用すると、昔、兄と妹が大きな村に住んでいた。村には歌小屋があり、妹は毎晩仲間たちとここで楽しんでいた。ある時、歌小屋のランプが全て ...

北欧神話の担い手はスカンジナビア半島からバルト海にかけて住んでいた北方ゲルマン人(いわゆるノルマン人)で、9~11世紀前半にかけてイングランド、フランス沿岸を荒らし回る「ヴァイキング」として恐れられた人達である。彼等は11世紀にキリスト教が浸透するまで北欧神 ...

フロベニウスの研究で太陽母神の広範な分布(特に大陸内部の北側)が指摘された。http://bashar8698.livedoor.blog/archives/16302345.htmlそれがこれまで母権制を大地母神として考えてきたバッハオーフェン〜ノイマンの論理全体を覆すかもしれないという事で太陽女神の例を ...

前回書いた通り「父権と母権」は部分的な傾向としてしか定義できない。例えば邪馬台国は女王を戴くが結婚は一夫多妻だった。今後は「父権・母権」という言葉を社会全体の性格ではなく社会や文化の部分的方向性として、言わば「微分係数として」限定的に使う事にする。そうす ...

神話学・人類学の書庫のこれまでの流れをまとめると、ノイマンの「グレートマザー」の最後の「両極の逆転」の部分を理解するために① 父権と母権② 狩猟、採集、農耕、牧畜、遊牧などの生産様式③ 一神教と多神教④ 太陽信仰と月信仰などの間の関係を「るいネット」の記事を ...

匈奴はスキタイに較べて資料が少ない。司馬遷の「史記 匈奴列伝」や「漢書 匈奴伝」などの中国側の文献資料、それとモンゴルの数カ所の遺跡のみである。<軍事・政治組織>匈奴の支配氏族は攣鞮(れんてい)呼衍(こえん)須卜(すぼく)蘭(らん)丘林(きゅうりん)の5氏 ...

スキタイはヘロドトスの「歴史」に登場する時には黒海の北岸地方に住み、王族スキタイ、遊牧スキタイ、農耕スキタイに分かれていた。彼等は王など高位の人が亡くなるとクルガン(墳丘墓)を作り奴隷や動物や装飾品を一緒に埋める習慣が有ったおかげで多くの文化遺産が現代ま ...

るいネットの筆者はモンゴロイドが主に南方の東南アジア方面から来たと言う「モンゴロイド南方起源説」を取っている。氷河期には海面が今より100mも低く、タイランド湾とマレーシア、インドネシアにかけての大陸棚は「スンダランド」と呼ばれる広大な沖積平野になっていた。 ...

ここまでは婚姻制度の進化の図式、特に牧畜や遊牧と父権制の関係が示されたが、今回はそれを西アジアの歴史、次回は東アジアの歴史で裏付け、疑問点を挙げ、最後に僕自身の仮説を提示したい。西アジアに関しては基本的に藤井純夫氏の「ムギとヒツジの考古学」を参考文献とし ...

今回扱うのは「人類婚姻史」の最後の遊牧社会である。http://bbs.jinruisi.net/blog/2010/05/800.htmlこれはここでさらに詳しく展開されている。第1回 遊牧部族の父系制転換①第2回 遊牧部族の父系制転換②第3回 略奪戦争は動物の本能には無い第4回 遊牧部族の父系制転換 ...

今回は下の2資料、即ち狩猟部族の系譜を要約、検証する。http://bbs.jinruisi.net/blog/2010/05/000798.htmlhttp://bbs.jinruisi.net/blog/2010/05/800.htmlこれは前回示した全体図の中の上半分の部分である。① 勇士集中婚 勇士婿入婚 ヨーロッパの森林地帯に留まったコー ...

バッハオーフェンの母権制はアプロディテ的乱婚制とデメテル的一夫一婦制の2類型を基本にしたが、モルガンとエンゲルスは乱婚と一夫一婦制の間に「集団婚」の段階があると考え、更に集団婚を血族婚、プナルア婚、対偶婚、家父長制の4段階に分類した。https://s.webry.info/ ...

バッハオーフェンの母権論、ユング〜ノイマンのグレートマザー論の普遍性を確かめる為にここで人類史的検証をしたい。問題は次の三つの関連である。① 母権制と父権制② 狩猟・牧畜・農耕などの生産様式③ アニミズム、多神教、一神教の信仰形態この関連を考察した社会者、人 ...

 ノイマンは動物の女主人としてのグレートマザーがトーテム、族外婚、供儀と深い関係が有ると考えた。植物は意識と本能を欠いた生命の象徴であるのに対し動物象徴は本能、活動、個体意識と集団意識が現れた生命の段階を表す。グレートマザーを妊娠させる蛇、鳥、牛などのヌ ...

ユングではアニマは変容するがグレートマザーは一生を通じて変化せず深部でアニマに影響を与え続けると考えられている。それに対しノイマンではアニマを含む全てが「グレートウーマン」の変容である。またユングの変容は神話の変容とアニマ・アニムスの変容の関係を問題にす ...

前回までは植物としての女神を見てきた。しかしグレートマザーは植物だけでなく動物の女主人ともなる。それは特にトーテムと族外婚、そして生贄を伴う供儀と深い関係が有る。ノイマンによればトーテミズムは集団心理が支配的だった狩猟時代の文化でありそこでは人間集団と動 ...

前回は木が生と死、犠牲と再生の共存する領域であり、基本的に母性的象徴だが時には男性の象徴ともなり得るウロボロス的性格を持つ事が確認された。今回は木の象徴の変形、その周辺に目を拡げる。ノイマンは木の変形として絞首台や十字架や舟を挙げる。木に吊るされた者は木 ...

女性性の変容の第一は前に示したように「養育する事」(=養分を与える事)であり、その例としてノイマンはエジプトのハトホル、北欧神話のイグドラシル、ユダヤの生命の木を挙げている。エジプトの女神、ラーの妻にしてホルスの母ハトホルは愛、美、豊穣、幸運、ホルスに乳 ...

 もう少し否定的マザーのイメージの拡がりを探ってみる。壺や甕に死体を屈葬する習慣はエーゲ文明や小アジア、古代アメリカ、縄文時代の日本などに共通し、火葬文化における骨壷はその変形である。これらは全て貪り食う否定的マザーの側面である。禿鷹、コンドル、カラス等 ...

インドのカーリーと同じくらい恐ろしい女神としてノイマンが挙げるのはギリシャのゴルゴンとアステカのコアトリクエである。今回はゴルゴンと蛇の象徴的意味についてノイマンの主張と僕の考えを整理する。 ゴルゴン3姉妹は大地母神ガイアと海神ポントスの息子ポルキュスを ...

ノイマンの無機的自然にまで広がった否定的マザーのイメージを検証しよう。大地の子宮は貪り食う死の口となり、暗闇、墓、深い穴として山の洞穴に口を開けている。生命を生み出す女性は同時にそれらを自分の中へ連れ戻し、罠や網で捉え、犠牲を求める者でもある。病気、飢餓 ...

今回はノイマン自身が「グレートウーマンの機能圏」と呼んでいる図を吟味する。まず第一にこの図はユングの「肯定的マザーと否定的マザー」「肯定的アニマと否定的アニマ」が二つの分割された領域ではなく無限のグラデーションとして示される事を前提にしている。下図では7段 ...

今回は女性における中心的象徴としての「容器」とその変容の諸相を概観する。<女性-身体-容器-世界>原始社会において外界は投影によって「世界 - 身体 - 容器」として体験される。無意識の内容が神や星として認識され、さらに神が身体部位や器官と対応させられる。世界 ...

ノイマンの第一に目に付く特色は、元型における「基本的性格」と「変容的性格」を区別する事によって重層化する事である。下図で下へ行くほど基本的、上へ行くほど変容的である。また中心線は基本的で右と左は変容的である。(1)ウロボロス自分の尾を飲み込むウロボロスは ...

<リビドーと元型>ユングによれば元型は本能の自己直感である。そしてリビドーは本能のエネルギー的側面である。分かりやすく言えば本能を外側から力動的エネルギーとして眺めたのがリビドー、意味世界として内側から現象学的に眺めたのが元型と理解して良いと思う。元型論 ...

ユング心理学における影、アニマ、グレイトマザーなどの無意識の中の存在は全て否定的側面と肯定的側面を持っている。それらは「自我と無意識の葛藤と統合」という全体の構造の中にあるからだ。 否定的側面によって分裂し肯定的側面によって再統合するのである。 ここで ...

ユングの言う「アニマ」は男性の中にある未熟な女性である。男性が眺める女性は多かれ少なかれ理想化されている、つまりアニマが投影されている。このアニマの観念は「影」と並行して考える事でより良く理解される。影が同性として現れる事が多いのに対しアニマ、アニムスは ...

ギリシャ悲劇はディオニュソス神を祝う音楽と舞踊の祭典「ディテュランボス」から始まった。しかしこのディオニュソス神そのものを扱った悲劇は意外に少ない。現在まで残っているのは、エウリピデスの「バッコスの信女たち」1編のみである。バッコスはディオニュソスの別名 ...

ギリシャ神話の研究家、呉茂一はエウリピデスの悲劇を「華麗なる激情」と評した。エウリピデスはアイスキュロスやソポクレス以上に後の悲劇、新喜劇の作家に決定的な影響を与え、その後の悲劇作家でエウリピデスの影響を受けなかった者はいないそうだ。その影響はコルネイユ ...

(1)オイディプスとプロメテウステーバイの王オイディプスの呪いの物語はアガメムノンと共にギリシャ神話で最も多く取り上げられる話題である。オイディプスの物語はあまりに有名なので詳しくは述べない。彼は「父を殺し母と結婚するだろう」との忌まわしい予言の成就を避 ...

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